紆余曲折

いろいろあった。

雨に唄えば

 参議院選挙だった。先週から見始めた『ノーサイド・ゲーム』は選挙特番が原因で来週に回ったので、炊飯器レビューも選挙エントリを理由に次週へ回す。

 

 まず今日はぼくの住む地域では記録的な大雨に見舞われ、朝からスマホの洪水警報が鳴りっぱなしだった。幸い、自宅は周りに河川や山の類が無いので被害はなかったが、近所の施設はいくつか水没していた。南無三。

 そういうわけで朝起きると外に意識が向かず、いつも通りの週末を家で過ごしていた。夕方くらいにネットニュースを見て選挙を思い出し、急いで投票所に向かった。気まぐれにニュースを見ていなかったら投票行き忘れていた。危ない危ない。

 

 ぼくの周りの同年代(±5歳)の人たちは、あまり選挙の話をしたがらない。高校の友人の多くは投票に行っていないし、大学同期も投票に行く人は50%くらいの割合である。実際に20代投票率は30%くらいで、体感と統計は合っている。

 それが影響しているのかわからないが、周りの人たちは政府や政策を批判することはない。増税されたときも「8%の計算めんどくさいね」くらいの会話で終わった。政治の話がぼくの身近には全く存在しないので、ニュースで見るような「増税反対」の勢力を見ることがない。政治に熱心な人たちは普段はどこに生息しているんだ。

 少し前、軽減税率の内容が発表されたときプチ炎上していた。「生理用品が軽減税率対象に含まれないのはおかしい」という具合に。元を辿れば「新聞は生活必需品ではない」という主張だったのだが、紆余曲折の後「生理用品は生活必需品なのに軽減税率の対象外なのはおかしい」という主張に変貌していた。そもそも生活必需品の全てが軽減対象なわけでは無いし、大局的に見れば生理用品を使う人はマイノリティである。軽減税率の対象になるのはなかなか難しい。

 論点すり替えの話は別の機会にするとして、この一連の流れに参加している人の中で投票に行っている人はどれくらいいるのかという話である。生理用品を必要とする世代なので10~40代として、多く見積もっても50%くらいだろう。政策を叩く人の半数ほどが投票に行っていないというのはちゃんちゃらおかしい話である。

 基本的に政策は選挙で選ばれた人が作るものなので、政策は選挙で投票した人向けに作られるのである。投票すらしない人間の思惑とは違った政治になるのは至極当たり前の話で、「まずは投票に行けよ」と思ってしまう。ちなみに新聞はWEBが身近ではない人にとっては情報を得る数少ないの手段の一つなので、ある意味生活必需品だと思う。少なくとも投票率の高い高齢者層では生活必需品なのではなかろうか。

 

 以前は「老人のための政策ばかりでなんて酷い国なんだ」と思っていたが、若者の投票率を見て「そりゃそうなるよ」と憤りが消えた覚えがある。今ではメディアで「若者は苦労している」という報道を見ると「選挙行かないからなぁ」と思ってしまう。日本で民主主義を広めた人は泣いてるよ。

 身近な人にはとりあえず投票に行くことを勧めている。政治がわからなくたっていい。「若者が政治に参画している」という事実が大事で、「若者の投票率が100%でも高齢者の投票数には勝てない」という問題は投票率が上がってからである。

 

 選挙のたびに嫁の「投票に行こうと思ったら親に投票用紙捨てられてた」というエピソードを思い出す。軽く引いた後、教養の大切さを実感した。