紆余曲折

いろいろあった。

そして人生は動き出す

 タイトルの「人生」に「とき」というルビを振りたい。

 

 今週は2人のニート(修士号持ち)とご飯に行った。それぞれ中学同期・大学同期である。中学同期の方は10月に、大学同期の方は7月に就職するとのこと。大学同期の方は、今年4月に入社した会社を辞めての再就職となる。退職RTA、記録2ヶ月。25歳就職なのは、1年ドイツへ留学していたから。

 両方とも現在無職ということで、食事代は全額奢った。いつも会社で奢ってもらってばかりなので、新鮮な気分だった。奢るメリットとしては「次の店行こう」と言えること。大学同期とご飯を食べたときには、餃子専門店に行ってからすしざんまいに行った。初めて友人と回らない寿司(安価)に行ったが、鉄火巻きをつまみながらダラダラ話すのは楽しかった。すしざんまいの鉄火巻きはツマミに最適なので、一度行ってみてほしい。これからマイブームになりそう。

 

 中学同期は相変わらずアカデミックというか工学チックというか、ガジェットの話が多めだった。彼はロジャースが提唱したInnovators理論における「Innovators」或いは「Early Adopters」なので、真新しいものを色々授けてくれる。ニコニコ動画はまだβ版の頃に教えてもらったし、ぼくの周りの人間の中で一番早くスマホを使い始めていた。その割に彼が修士研究で使っていたのは古代語と言われるFortranである。

 今回の講義内容はDeepLearningで、彼がバイトの仕事に併せて勉強し始めたという話。ちょうど仕事の方で文字認識技術を調査していたので、興味深い話だった。それ以外は近況報告・同期の動向などの話に花を咲かせていた。一番面白かったのは、あるイベントで彼がおフェミさんと知り合ってしまった話。Twitterのアカウントを相互フォローしてしまったが故に、ポリティカルコレクトネスに気を付けているのだそう。十字架を背負ってやるTwitterは楽しいのか甚だ疑問である。

 

 大学同期は一時期相談も受けていたので、前職場の退職話を聞いた。今週の頭に退職したらしい。単体1万人、グループ5万人規模の会社でぼくの前職の競合他社に入社していた。能力自体は凄く高いのだが、如何せん協調性に欠けるので大企業は向いていないだろうと思っていた矢先である。

 退職の理由は「仕事がつまらない上に、キャリアコースに自分のしたいことが全くなかったから」とのこと。「大企業は入ってからでないと、できる仕事がわからないのをどうにかした方がいい」と苦言を呈していた。彼はデザイン系の人間でアートディレクターを目指して入ったのだが、今年からの企業方針がデザイン部門の人員を削減する方向になったらしい。そして現在のデザイン部門の人員は幹部たちに煙たがられていた、という顛末だったようだ。

 元々個人事務所に入ってそこから独立する方針だったので、「遅かれ早かれ退職する予定だった」と言っていた。「大企業に入ったのは新卒のチケットが無いと大企業には入りにくいため」とぼくの思考と同じ内容を語っていた。類は友を呼ぶとはこういうことなのか。

 7月からは当初の予定通り、個人事務所に入って一通りフリーランスデザイナーの仕事を学ぶらしく、目を輝かせながら話していた。「君も仕事を辞めたからわかると思うけど、動きが出てきた感じがするよね。今までは順風満帆過ぎた。言ってしまえば苦労なんて無かったし、ぼくの人生には波が無かった。ぼくの人生はやっと動き出したよ。」。学歴コンプが彼の言葉を聞いたら発狂しそうだ。

 

 会社の人たちと将来の話をするとひたすら「給料が上がってほしい」しか言わないので、こういう夢のある話を聞くと心が潤う。両方とも我が道を行っており、奔放な人生である。ちなみにぼくの周りの人たちに言わせると「お前が一番自由な人生を歩んでいるよ」とのこと。なぜなのか。

 

参照。

Innovators理論はこちらから。

https://www.jmrlsi.co.jp/knowledge/yougo/my02/my0219.html