紆余曲折

いろいろあった。

Pollyanna

 弊社での新年度が始まった。

 多くの企業・団体では4月が年度初めだろうが、弊社は以前のエントリでも述べた通り5月が年度終わり(昇給時期)で6月が年度初めである。弊社では新卒の採用は定期的に行っておらず、中途採用が基本なので6月に年度始まりでも特に困ることは無いらしい。ちなみに来年は新卒を採るらしく、採用チームは精を出している。

 年度始まりの折に、会社での表彰式があった。前年度の評価に応じて、各種賞と社長のポケットマネーから賞金が出る。なお、賞金は現金だと税金が増えるとかなんとかで商品券が配られる。賞金総額は300万円。最低でも敢闘賞が与えられ、派遣社員も含め、全社員5万円分は必ず貰える。社長のポケットと心は大きい。

 ぼくは優秀賞をもらい、12万円分の賞金をいただいた。正直、入社1年未満で且つ新人なので5万円だと思っていた。ありがたいことだ。

 家族には5万円分貰えると伝えていたので、炊飯器を買う予定だった。12万円貰えることになったが「10万円レベルの炊飯器で米を食べてみたい」ということになり、結局10万円の炊飯器を購入することになった。残りの賞金は適当にトースターなり扇風機なりを注文する。7月くらいに届くのでどこかでレビューをしたい。ちなみに賞金の金額で一番はしゃいでいたのは父で、「教諭にもこういうの欲しい」と言っていた。公務員には無理だろうな。

 

 最優秀賞をもらっていたのは電話サポート部の主任だった。今年度は総じて顧客満足度が高く、取引中止になった案件がほとんど無かったのが評価されたらしい。世の中何の能力が活かされるかわからないものだ。この発表を聞いたとき凄く面白いと思ったし、面白い会社に入ったものだ、とも思った。「どんな人間にもいいところはある」という社長の理念が反映された、実に弊社らしい表彰式だった。

 実際どんな人間にも他者と自分を区別できる「何か」はあるわけで、ましてや他者よりも優れていなければならないということもない。大企業に行ったある友人は「うちの会社で知り合う人たちは今までの人間の上位互換が多い」と言っていたが、完全な上位互換は存在し得ない。どんな人間でも何かしら劣る部分はある。

 アイデンティティを確立できずに生きている人はおそらく山のようにいるだろう。結果、鬱屈した心が育まれ悲劇的な事件が起こる。毒親と呼ばれる、他者を依代にした歪んだアイデンティティを確立している人間も少なからずいる。どうせ世の中は1%未満の天才たちが動かしているんだ。必ずしも優れていなくていいのに。

 

別記。

 題名を先に書いてしまったので文章を〆るのに2時間くらいかかった。難しい言葉を題名に使うべきではない。ちなみに元の題名は「アイデンティティ・コンプレックス」。最近周りにアイデンティティに悩む人がいたので、彼らへのメッセージ調にしようと思って書き始めたが、表彰関連の文章と噛み合わずに断念した。いつかこの題名で書きたい。

 ちなみに「Pollyanna」は小説の題名で、内容は「他人のいいところ探しをする女の子」の話。