紆余曲折

いろいろあった。

自衛

 世間ではGWは終わり、元の日常に戻った。ぼくも今日の午後に会社から電話があり、今週で復帰することになった。長い連休も明日で終わる。

GWはというと、主に家でゴロゴロしていた。外出は映画館と、友人の2組とご飯を食べに行ったくらいである。映画のレビューでも書こうと思ったが、観た映画のいくつかが全く面白くなかったので書く気になれなかった。公開中の映画を批評するのも気が引ける。

友人の1組は大学同期で、離職経験のある人たちだった。1ヵ月休みがあっても暇で暇でしょうがないといった話をした。娘への贈り物を貰い、人間の暖かさにも触れた。写真を見せると「美人さんになるよ」と親戚のおばさんのようなセリフを言っていた。

 

 そんなわけで専ら家で過ごしていたのだが、やることと言えば映画・動画を見たりゲームをやったりと生産性の無いことしかない。田舎だもの。テレビをつけても中年アイドルグループの未成年者への犯罪をメインに報道しており、飽き飽きしている。

 ネット上でもこの事件は注目されており、たくさんの意見を目にした。今は誰でもネットで発言できる時代なので、人によって着眼点が様々で面白い。しかし、中には被害者の女子高生に対して攻撃的な文章も多くある。「ハニートラップ」「被害者ぶるな」などともう無茶苦茶である。

女子高生側に悪意があろうとなかろうと、未成年者に手を出したのならそれは犯罪である。そして犯罪行為があった時点でもう件の女子高生は被害者であり、そこに異論を挟む余地は無い。犯罪行為は100%加害者側が悪いし、今回の一件も加害者が悪い。これがこの強制わいせつ事件における多くの人の意見の前提である。

 この前提を踏まえた上で「女子高生も悪い」という意見がぼくが探した限りでは多く見られた。この「悪い」は「evil」ではなく「No Good」である。「非がある」ではなく「好ましくない」と言ってもいい。自衛の心構えが足りないということである。

夜中に中年男の家に呼ばれて行くのは自衛の心構えが欠けているし、至極真っ当な意見に思える。しかし残念ながらこの意見に言葉尻を捉えて反発している人もいる。「女子高生は被害者、男は加害者を擁護している」という意見は前提を無視している。なんて短絡的な思考回路なんだ。悲しいことにこの主張をしている人は少なくない。

数年前、インドの郊外でバイクタクシーに乗った日本人女性がバイクに乗せられたまま人気のない場所に連れられ暴行を受けた末に殺された事件がある。犯人はもちろん捕まっていないし、もう捕まらないだろう。この事件が報道されたときも同じように「日本人女性が悪い」と言う人がいて、同じように「加害者を擁護している」という人もいた。殺人犯より被害者に非があると思う人など存在するわけないだろう。文脈を読む力を付けてから、主張をするようにしてほしい。

色々検索すると、自衛が嫌いな人も数は少ないが見受けられる。「自衛しないといけない国なんておかしい」なんて意味不明な文章も見つけた。「もっときちんとセクハラを含んだ性教育をすべき」という意見もあった。残念ながらセクハラを始めとするわいせつ行為は突発的な暴力であると思う。教育や法でどうこうできるものではない。

口論の末にカッとなって人を殺してしまった、という犯罪者は殺人は罪になると知らないから罪を犯したのではない。万引き犯は、学校で万引きが悪だと教わっていないから万引きしたわけではない。諸条件が揃えば突発的な暴力・犯罪は起こりうるものであり、それは法や教育ではカバーできないだろう。だから自衛が必要なのだ。

今回の中年アイドルグループの騒動では、「夜中」「飲酒状態」「男女」「密室」「事務所の力が強い」などと条件が揃い過ぎていた。それでも部屋に向かった女子高生は自衛の心構えが足りないと言われて然るべきだろう。もっとも、未成年者なので親が止めるべきだったし、親もそういう教育をすべきだったと言える。ぼくの見解は「女子高生の親が悪い」。この「悪い」は限りなく「非がある」に近い「好ましくない」である。「業界の大御所だから断れないだろう」という意見も見たが、夜中に女子高生を家に呼ぶ大御所がのさばる業界なんて早く足を洗うべきだろう。

 

 日本だからまだいいものの、外国だと先のインドの事件のように命に関わる問題である。平和ボケし過ぎだろう。「自衛しないのが悪いという意見はおかしい」と主張する人間がいるのは日本だけではなかろうか。

GW中はテレビを付ければ中年アイドルグループが必ず映っていた。加害者の涙の会見も見苦しい。引っ越した先にはテレビはいらないかもしれない。昔はテレビコンテンツも面白かったのにな。