紆余曲折

いろいろあった。

映画①

 1971年に公開された『時計仕掛けのオレンジ』を見た。小栗旬主演で舞台にもなっていたらしい。大まかなストーリーはYahoo映画から抜粋しておく。「鬼才スタンリー・キューブリック監督の描く傑作SF。近未来、毎日のように暴力やセックスに明け暮れていた不良グループの首領アレックスは、ある殺人事件で仲間に裏切られ、ついに投獄させられてしまう。そこで彼は、攻撃性を絶つ洗脳の実験台に立たされるが……」。

なんといっても映像表現が凄い。今だと絶対規制されているだろう暴力・性暴力描写が沢山あった。しかしスプラッタ系の描写とは違い、ぼくが苦手な血が飛び散るシーンが無く比較的穏やかに見れた。暴力表現に穏やかはおかしいかもしれないが。

ストーリーの主軸はよくある犯罪者を洗脳するというものである。この映画が元ネタとなったか、金字塔的作品なのかは知らないがこの手のプロットは現代に溢れている。当時この映画がアカデミー賞の作品賞にノミネートされたことを鑑みると、多分元ネタの方であろう。

色んなサイトで解説されている通り、風刺的作品である。公開当時の社会情勢を全く知らないのでいまいちピンと来なかったが、管理社会への風刺なのだろう。映画にはクリエイターのメッセージがあり、それは公開時の情勢を知らないときちんと読み取れない。そういった理由で古い映画を見るのは嫌いである。ヒッチコック映画のように映像表現に凝ったものは好きだが。

管理社会への強烈な風刺よりも、ぼくが目を引いたのは狂気の表現である。主人公が「雨に唄えば」を口ずさみながら踊り、作家夫婦を襲うシーンの演出は凄かった。ナイフを舐めながら奇声を上げる殺人鬼なんかよりよっぽど狂っており、そのうえ美しかった。多分このシーンを真似た若者がいただろうと思い、検索してみると模倣犯がやっぱりいた。いつの時代も模倣犯が作品を汚す。この映画も監督が亡くなるまで、本国イギリスで公開が差し止めされていたらしい。

 

 妻が暴力表現のある映像が苦手なこともあり、この手の映画はしばらく見ていなかった。久しぶりに見るには刺激が強すぎたのか、今日レンタルショップに行った際には暴力描写の多い映画を手に取っていた。傑作というものの持つ魔力に魅了されたのかもしれない。

妻子と同居が再開されれば、暴力作品はほとんど見る機会が無い。今のうちに見ておくのが吉な気がする。しかし如何せん実家のリビングでこういった映画を見るのは気まずい。どうにかならないものか。とりあえず『パージ』と『アウトレイジ最終章』は近日中に見たい。