紆余曲折

いろいろあった。

幕間③

 ここ数日間、何にも追われずに過ごしていた。会社とは来週面談があるのでそこで今後のことは決まるのだが、その日まで本当に何もやることがない。こんなことは人生で初めてである。

今までは研究やら育児やら、何かしらやることはあった。モラトリアムと言われる大学の学部時代も、日々の糧を得るためのバイトや大学の勉強でなんだかんだ空白は埋まっていた。やるべきことが無い日々に憧れてはいたが、いざ実現してみると暇で暇で仕方がない。ニート適性はぼくには無かった。

幸い、両腕を骨折していた期間にやる予定だった部屋の掃除やゴミの処理が片付いていなかった。今後がどう転んでも実家からは離れるので、今週はこの事後処理をしていた。売却のために従弟や妻が整理していた漫画は、段ボール12箱ほどになった。こちらは2日前に集配してもらって現在査定中である。

ゲームも売れそうなものは全部売った。といっても最新のゲームはスプラトゥーン2くらいしか無く、他は何年も前に買ったPS33DSのゲームである。スプラトゥーン2を除くと、一番高かったのはぷよぷよテトリスだった。ソフトだけで総額は1万は超えていたので驚きである。ゴミにも需要はあるもんだ。

 

 こっちに戻ってからというもの、知人は1人しか会っていない。知人の多くはもう地元に残っていないということと、この最初にあった人間と当たり障りのない会話しかできなかったのが理由である。しばらくは一人でボーっとしようと思った。

ご飯を奢ってくれた友人には事の経緯を説明した。彼から返ってきたのは「どの仕事も辛いよ」である。ぼくはまだ仕事をしていない。自己嫌悪に苛まれて逃げ出したのである。多分この感覚は理解してもらえないだろうし、それで構わない。ただ彼が言葉を選びながら話しかけてくる様を見るのは心にきた。ぼくは同情される側になったのか。

彼は農学部の出身で、「農業でもやろうかなぁ」と言うと「お前には向いてない」と即答された。根拠を全く示さなかったから少しムッとなったが、暗に農業はやめとけということなのだろうか。もともとマウントを取りがちな知人なので、真意はつかめない。結局話は近況報告だけで終わり、解散となった。相手が気を遣ってくれていたのかわからないが、終始当たり障りのない会話で何も得るものはなかった。

 

 妻からはずっと「好きなようにしたらいいよ」と言われている。Webで調べると夫の失踪は離婚案件なのだが、その気は全くないらしい。それどころか資金集めのために内職を始めたという。社会人になってから知り合っていたら別れられてた気がする。学生時代に知り合ってよかった。

娘はというと、すくすく育ちもう生後4か月である。送られくる写真を見ると、赤ちゃんの顔から子供の顔へと変態していた。意志を持った目をしており、今にも何か話しだしそうである。次に会うのはいつになるかわからないが、心待ちにしている。昔と違って今は遠く離れていても子供の成長を見ることはできる。いい時代だ。