紆余曲折

いろいろあった。

都忘

 いよいよ明日、東京へ出発である。思えば生まれてからずっと同じ県に住んでいた。治安が良く、なかなか住みやすい良い地域であった。

今日は朝から眼鏡を買いに行った後、老人ホームに住む祖母に別れを告げに行った。祖母はぼくよりも、曾孫にあたる娘と別れるのが寂しそうだった。そりゃそうだ。

午後からは荷造りの締めをして、娘の生後100日を祝う「お食い初め」の儀を行った。娘の100日の健康に感謝しながら鯛を食べた。めでたいことだ。

 

 怪我をしたせいで、感傷に浸る間があまりなかった。もっとこうセンチメンタルに今までの人生に思いを馳せる時間を過ごしたかったものだ。思い出の場所を車で回ったり、行きつけの飯屋に行ったりね。しかし怪我が治るとすぐに荷造りだった。健康は大事である。

妻と娘ともしばらくは会えない。数ヶ月の別居生活となる。ぼくは新卒で忙しく疲れやすいだろうし、妻も地元に帰って羽を伸ばせるだろうしで双方に利のある別居とも言えなくもない。ただ、娘の成長を見守れないのは辛い。ハイハイする前には同居したい。

別れが訪れると、毎度ドラマ『古畑任三郎』のとある回のセリフを思い出す。その回はフラワーアレンジメントが犯人の回で、冒頭の独白で花言葉を紹介する。その雰囲気が格好良く、紹介された花と花言葉は強く印象に残っている。

「今夜は花言葉のお勉強。まずシクラメン花言葉は【疑惑】。ソメイヨシノ花言葉は【美しい人】。シダレグワ、花言葉は【智恵】。そしてミヤコワスレ花言葉は【しばしの別れ】。」